香港で行われた柔道のアジア選手権男子90キロ級で優勝したパリ五輪代表の村尾三四郎(JESグループ、桐蔭学園高出身)が24日帰国し、羽田空港で報道陣の取材に応じた。3月のグランドスラム(GS)アンタルヤ大会に続く国際大会2連勝に「この流れをイメージしていたので、いい形で勝つことができた」と充実な表情で語った。
昨年12月のGS東京大会で優勝後、左膝の故障にも悩まされた。今年2月のGSパリ大会は初戦敗退。真夏の闘いとなる花の都での苦い経験は「自分がオリンピックに向けて何をすべきかをより明確にしてくれた」と振り返る。
その後、悔しさをばねに2大会に出場。GSアンタルヤでは鋭い足技を軸に復調。今大会は「自分に不利だった」と言う左の相四つの展開にも対応。「基礎的なところの積み重ねが出せた」とうなずいた。「勝っているのが本来の村尾と我々は信じたい」。日本男子・鈴木桂治監督の言葉通りの強さを示した。
パリ五輪まで残り約3か月。今後、村尾は国内を中心に調整を行う予定。「他の外国人選手と比べて、僕は一番技術力があると思っている。その技術を見せたい」。〝日本のお家芸〟のホープが世界を席巻する日が待ち遠しい。