28日の衆院3補選に向け自民党内に焦燥感が漂っている。すでに二つが不戦敗の上に唯一、候補擁立にこぎつけた島根1区も報道各社の情勢調査で苦戦が伝えられているからだ。静岡県知事選(5月9日告示、26日投開票)も突然の衆院議員辞職など逆風続き。「戦わずして勝つ」との巨大与党の強さは見る影もなく「『戦わずして負け』の負のスパイラルに陥っている」(自民選対幹部)状態だ。
岸田文雄首相は24日の参院予算委員会で自民の政治資金規正法などの改正案を「なんちゃって連座」(立憲民主党の蓮舫氏)と酷評されると「法的責任が問われなくとも政治的な責任は問われるのだ」などと反論。「わけがわからない答弁は時間の無駄だからやめて」と制する蓮舫氏に「答弁させてください」「大丈夫、大丈夫ですから」「はい、はい」などと演壇に立ち続けてかみ合わない答弁を繰り返し、補選さなかに防戦一方の姿を露呈した。
自民静岡県連は23日、党本部に候補推薦を行ったが茂木敏充幹事長は保留した。この日は自民派閥裏金事件を巡る離党勧告処分に不服申し立てをしていた同県連所属の塩谷立元文部科学相の離党が確定。ここまでは織り込み済みだったが夕方になり、やはり同県地盤の宮沢博行前防衛副大臣が議員辞職した。週刊誌が女性問題を報じる見通しであることが理由とされる。
宮沢氏を巡って首相は蓮舫氏から「党総裁として調査し処分を行うのが当然だ」と迫られたが「政治家としての活動の範囲の出来事においてご本人(宮沢氏)が判断したことだ」と応じず「(女性との)不適切関係が政治活動?」などと怒号を浴びた。