◆横浜DeNA3-5阪神(横浜スタジアム)
プロ初勝利は持ち越しとなった。0―1の六回から2番手で登板した横浜DeNAの中川颯が2回無失点。雨が降りしきる中、球場で声を張り上げるファンの期待に応える好投だった。
五回終了時、グラウンドにはシートがかけられた。降雨コールド成立が危ぶまれる悪天候にも、ハマのサブマリンは気持ちを全く切らさなかった。
「昔からイレギュラーな状況に動じないタイプ。言い訳にしたくない」と得意のシンカーを効果的に使い、阪神打線を打たせて取る。六回の打席では犠打をきっちり成功させ、七回のマウンドも中軸相手にストライクゾーンに投げ込んだ。
選手層が厚いオリックスに在籍中は穏やかな性格が影響して、ポジションを確立できなかったこともあった。新天地では堂々としたもの。「あまり周りを意識しないで、自分にベクトルを向けている」と背番号53。どんな状況でも腕を振り続ける。