神奈川県小田原市のごみ焼却施設で使う薬剤の請求額を納品会社に水増しさせて同市から約440万円をだまし取ったとして、詐欺罪に問われた元同市環境事業センター主査の被告(49)=懲戒免職=の初公判が25日、横浜地裁(倉知泰久裁判官)であった。被告は「(間違い)ありません」と起訴内容を認めた。検察側は「地位を悪用した計画的かつ常習的犯行」として懲役3年を求刑。弁護側は執行猶予付き判決を求め、即日結審した。判決は5月31日に言い渡される。
検察側は冒頭陳述や論告で、焼却炉で使用する薬剤の発注業務を担当していた被告が納入業者の担当者と共謀して数量を水増しした請求書や納品書を作成するなどしていたと説明。詐取した金銭の相当部分を趣味用品の購入などに充てていたことを踏まえて「動機は身勝手」と非難した。
被告人質問で不正を始めた経緯について問われた被告は「予算化されていない物を買えなかった。(職場のグループで)支出金額に違いがあり、職場で必要な物品を購入するために、不正と知りながら身勝手な正義感があって始めた」とし、詐取した金で商品券を購入したり資格取得の費用に使ったりしたことについては「プール金が増える。趣味に使ってもばれないと思った」などと釈明した。