ゴールデンウイーク(GW)が始まった。新型コロナウイルス5類移行後初のGWとなり、県内の施設では昨年よりも人出増を見込み、催しを充実させるなど受け入れ態勢を整える。一方、円安が進みインバウンド(訪日客)でにぎわう観光地の宿泊施設は高騰。混雑緩和の対策を講じながら、観光客を迎え入れる。
「GWの集客は昨年同時期と比べ1割程度上回ると見込んでいる」と話すのは、横浜・八景島シーパラダイス(横浜市金沢区)。今回は人気ゲーム「あつまれ どうぶつの森」とコラボ、展示パネルやスタンプラリーを実施してファミリー層を狙う。夜間には同作の音楽と合わせた花火大会も開催。今年も入場時の混雑緩和を図り、当日券と引き換えが不要な前売り電子チケットを導入している。
開業20周年を迎えた新江ノ島水族館(藤沢市)は、これまでのあゆみを記録写真や動画、生体、標本展示で紹介。改装工事で中断していたイルカショーを再開し、19日に生まれたゴマフアザラシの赤ちゃんを展示するなど、来場の目的となるコンテンツを充実させている。
GW前から連日、訪日客でにぎわいを見せる箱根。箱根海賊船が出航する芦ノ湖の元箱根港も人気スポットの一つ。周辺の宿泊施設で楽天グループが運営する「Rakuten STAY FUJIMI TERRACE 箱根芦ノ湖」では北米や香港などの訪日客による予約が増加している。
需要に伴い宿泊施設の客室料金は高止まりが続く。同施設のGW期間中における大人2人の宿泊料金は通常の倍以上の13万円超に跳ね上がっている。円安の恩恵を受ける訪日客でも、「箱根周辺のホテルは高くて泊まれない。安い別のエリアを選択する」という声もある。