高級車などを狙った自動車盗の被害が近年、神奈川県内で急増している。2022年に276件だった自動車盗難被害の認知件数は23年に約1.7倍の461件に上り、今年は2月末までに71件が確認されている。今月初めには、自民党の三原じゅん子参院議員(59)が横浜市内の自宅駐車場から愛車を盗まれ、被害届を提出した。三原氏は神奈川新聞の取材に「早く見つかってほしい。せめて、無傷でいてくれたら。もっと防犯対策を講じていればよかった」と語った。
三原氏の愛車は、国内外で人気の高いスポーツタイプ多目的車(SUV)「トヨタ・ランドクルーザー(ランクル)200 ZX」の「モデリスタ」というモデル。約5年前に「家族のレジャーだけでなく災害への備えも意識し、広いスペースを確保できる車」と、中古車販売店で購入した。
被害にあったのは、2日の夕方に車で帰宅した後の3日午前2時半ごろ。同日昼ごろに車がなくなっていることに気付き、通報した。「自宅でテレビを見ていた時間帯。普段通りの静かな夜で、物音なども聞こえなかった」と三原氏。自宅付近の防犯カメラには、見慣れないシルバーのセダンが三原氏の白いランクルを先導するような映像が記録されていた。
「人気の高いランクルに狙いを定めていたと思う」。駐車場はシャッターや柵がない平置き。約3年前の深夜に車の防犯ブザーが鳴ったことはあったが、被害はなかったといい、「その時にセキュリティーを見直し、きちんと対策していればよかった」と後悔を口にする三原氏。「被害に遭わないためにも、ハンドルロックやタイヤロックなど盗難防止グッズを積極的に利用してほしい」と訴える。