横浜を代表する銘菓、ありあけ(横浜市中区)のハーバーが、8月に誕生70周年を迎える。大型連休からは関連企画を本格展開。5月3日の「ザよこはまパレード」に初参加するほか、新商品も発売予定だ。一時は市場から消えたハーバーが復活を果たして20年超。長く愛される理由、そして堀越隆宏社長(55)が描く今後の展望とは─。
◆ザよこはまパレード初参加
「横浜、神奈川の皆さんに支えられたからこそ今がある。新商品をPRしながら横浜を盛り上げたい」。堀越社長は、ザよこはまパレード(国際仮装行列)に向けて、そう意気込む。
3日は「ありあけハーバー号」と題したフロートを用意。3月に誕生した初のマスコットキャラクター「ハーバーくん」の着ぐるみも乗り込み、同日からありあけ直営店で先行販売する新商品「開港ハーバー・抹茶黒蜜」をアピールする予定だ。
◆はじめは「ロマン」だった
ハーバーは、栗の入った自家製の餡(あん)を、薄く柔らかいカステラ生地で包んだ洋菓子。旧・有明製菓が1954年、「ロマン」の名で発売した。栗を使ったお菓子はぜいたくとされた時代。商品名には、マロンに夢を託すとの意味が込められたという。
66年、船の形にちなんで「ハーバー」と改名。関東一円に流れたCMの効果もあり、横浜土産として広く定着した。しかし─。99年、ハーバーは市場から突如姿を消した。資金繰りが悪化し、同社が倒産したためだ。
◆ファンの声に応える
「もう一度ハーバーを食べたい」。ファンの声に応えようと立ち上がったのがありあけの藤木久三会長だった。当時経営していた洋菓子製造・卸会社が商標権を買い取り、元従業員らとともにハーバーを復活させた。2001年4月のことだ。
「以前よりもおいしく、時代に合ったものをと開発に注力した。それが今のベースになっていることは間違いない」(堀越社長)