交流サイト(SNS)を通じて架空の投資話を持ちかける「SNS型投資詐欺」と、恋愛感情を抱かせるなどして現金をだまし取る「ロマンス詐欺」の被害が神奈川県内で深刻化している。県警によると、今年1~2月の被害総額は約12億8890万円で、特殊詐欺の被害総額の約4倍に上った。背景には新NISA(少額投資非課税制度)の開始など投資ブームがあるとされ、県警の担当者は「『必ずもうかる』は詐欺」と強調し、注意を呼びかけている。
県警捜査2課によると、SNS型投資詐欺とロマンス詐欺の被害は昨年1年間で計約24億6415万円だったが、今年は1~2月ですでにSNS型投資詐欺73件(被害額約11億5690万円)、ロマンス詐欺9件(同約1億3200万円)の被害が確認されている。
82人の被害者の内訳は男性45人、女性37人。年代別では50代の24人が最多で、60代22人、40代12人と続く。30代も5人、20代も4人おり、幅広い年代が被害に遭っていることが分かる。
同時期の特殊詐欺の被害(191件、被害額約3億2900万円)と比べて一件当たりの被害が高額になっていることも特徴的だ。
手口はいずれも、被害者と犯人グループが非対面で接触し、SNS上で信頼関係を築いた上で架空の投資話や結婚話などを持ちかけて現金をだまし取るもの。
県警は4月、SNS型投資詐欺で川崎市麻生区の女性が現金3千万円をだまし取られたと発表した。投資詐欺広告にアクセスし、経済アナリストとそのアシスタントを名乗る人物とLINEで約1カ月やりとりを行った後、約1カ月かけて計8回送金していた。