神奈川新聞社は、今年からデータ分析を通して高校野球の面白みを紹介する企画「神奈川高校野球 データで深掘り」をスタート。第1弾は神奈川県春季大会。打率や安打数、奪三振数など投打成績の各部門別で集計し、多角度から激戦を振り返ります。
◇ ◆ ◇
試合数が少ないため一概に比較はできないが、ベスト8の個人打撃成績を打率順に並べると、桐光学園の中川と横浜清陵の堀内が6割6分7厘でトップ。OPS(出塁率と長打率の合計)は2試合で本塁打を含む4長打を放った中川が2点台に乗せた。堀内は投手も務めながら中軸に座り、犠打も2。マルチにチームをけん引した。
打率3位は日大藤沢の2年生リードオフマン半田。出塁率は7割を超えており、慶応の加藤に続く2位。日藤は2番河内も2年生。2年生だけでの打率ランキングで1、2位を独占しており、夏への成長が楽しみだ。
他チームの2年生でも東海大相模の中村、桐光の白鷹、横浜の阿部葉ら好打者がそろっている。阿部葉は3試合で1本塁打、3二塁打で長打率8割4分超。春は1番で起用されたが、横浜の攻撃陣を引っ張る存在になりそうだ。
4回戦以降の本塁打は8人で計9本。ちなみに昨春の県大会4回戦以降(関東大会出場決定戦は除く)は慶応の7本を筆頭にベスト8で計17本で、やはり新基準バットの影響は大きく出ている。
犠打は向上が際立って多く、3試合で14。武相が4試合で10、東海大相模が4試合で9となっている。打率は2割台だが、四死球は桐光の綾部が2試合で5。出塁率6割6分7厘を誇った。
チーム打率は日藤がトップ。向上、横浜、武相までが3割を超えてきた。チームOPS1.0超えは向上のみ。向上は富沢が打率5割4分5厘で本塁打も放ちOPS1.455。「恐怖の9番バッター」だった。