新型コロナウイルス禍が明け、勢いを失っていると言われるキャンプや釣りなどのアウトドア趣味。本牧、大黒、磯子に海づり施設がある横浜近郊では実際どうなのか、探ってみた。
3施設の指定管理者・イオンディライト(東京都)によると、2020年度(同年3月~21年2月)の3施設合計の入場客数は約15万1千人。21年度は定員数を減らす運営をしながらも18万7千人にまで増えた。翌22年度には26万5千人が訪れ、客層も「メイン層のファミリー以外の来場が目立った」と担当者。23年度は25万6千人に減少したが、コロナ禍前の水準を維持しているという。
4月下旬、記者も磯子海づり施設(横浜市磯子区)へ取材兼釣行に出かけた。平日で、朝からにわか雨が降っていたためか、正午までの来場者は約40人。本格的に取材をしようと竿(さお)を畳みだした午後には雨がやみ、来場者もぽつぽつと増加。計90人が訪れた。
「ウェブサイトが便利だし、磯子は魚影も濃い」と話したのは、2カ月前に同僚の影響で釣りに魅了された川崎市在住の40代男性。子どもからの発案で数カ月前に釣りを始めた鎌倉市在住の40代夫婦は、この日は夫婦水入らずで来場。「(釣った)コノシロをどう料理しようか」と楽しげに話しながら帰路についた。
早朝から並んでいた鋭い目つきのベテランやだんらんするカップルなどで釣り場は常ににぎわい、釣り人気の高さをうかがわせた。
3施設では、混雑度合いをより分かりやすく表示できるよう取り組んでいくほか、季節の魚を対象とした釣り教室や、釣った魚のサイズを競う大会の開催を予定している。これからも、多くの人に釣りの面白さを伝えていく構えだ。