横浜DeNAの筒香嘉智外野手(32)が5年ぶりとなる6日の国内復帰初戦で、試合をひっくり返す劇的な3ランを放った。自身の価値を証明した日本で206本目のアーチ。筒香は速球を打てないのではないか―。こうした米国時代の評価を覆す一発の裏には、黙々と課題と向き合う姿があった。
満員の横浜スタジアムが総立ちとなった。3―5の八回2死一、二塁。「点差もあったし、強い打球を打つことを心がけた」という左打者は、ヤクルトの4番手エスパーダが投じた初球の真ん中低めを迷いなく振り抜く。
「入るかなと思った」。打った瞬間、本人もそれと分かる感触が手に残っていたのだろう。打球は大歓声に乗って、あっという間に右中間席へ飛び込んだ。
その一つ前の第3打席でも星の150キロを逆らわずに打ち返し、左中間スタンドまで数十センチという当たりを披露。「僕の中での一つのバロメーターが逆方向。非常にいい感覚で(3ランを打つ)最後の打席に入れた」との予感は間違いではなかった。
イースタン・リーグでは17打数3安打。昇格は時期尚早だとの周囲の声は「聞いていないので分からない」と笑い飛ばす余裕も見せた。試合で日本投手の「間」に慣れるために調整を重ねた。また、快速球に対応するための独特な練習も取り入れていた。(ベイスターズ取材班)