神奈川県の黒岩祐治知事は13日の定例会見で、政令市が法制化を目指す特別自治市構想について「要するに県から独立するということだ」とし、「政令市域の住民に『神奈川県にいるのは嫌だ』『独立したい』という機運が高まっているようにはとても感じられない。その中で法制化していこうというのは無理がある」と述べた。
県は同構想が県の総合調整機能に支障を及ぼすなど、「住民目線から見て妥当でない」との従来の見解を分かりやすく紹介したパンフレットを作成。表紙には「えっ!独立?」とのキャッチフレーズを掲げ「県は分断でなく、連携・協調を進める」とした。
知事は、「政令市制度では大都市の行政課題に無駄なく、素早く対応できない」との問題意識から構想の実現を主唱する川崎市の福田紀彦市長がかつて市の冊子で「市は県から独立し、県の機能のすべてを担う特別自治市制度の実現を目指す」と主張していたことを引き、「『えっ、独立なの?』と問いかけたもの」と意図を説明。「県民が特別自治市とはどういうものかを分かっていない面もある。政令市側が実現に向けて活動する中、県の主張を伝えるアクションが必要だ」と述べた。