若者を商店街に呼び込もうと、「ハマのアメ横」として知られる洪福寺松原商店街(横浜市保土ケ谷、西区)で、オリジナルキャラクターを使って若者向けに動画配信する「VTuber(ブイチューバー)」とタッグを組んだイベントがスタートしている。ブイチューバー約70人の中から買い物客の投票で選ばれた5人にPRアンバサダーとして一役買ってもらう予定で、異色のコラボレーションが大きな反響を呼んでいる。
同商店街は1952年に発足。相鉄線天王町駅近くに位置し、鮮魚店や青果店、パン屋など約70店舗が並ぶ。60~70年代は一日約2万人が訪れたが、近年は高齢化や商業施設の進出などで客足が減少しており、同商店街振興組合では街路灯をLED化して「ナイトバザール」を催すなど、誘客イベントを各種開催してきた。
今回のイベントは「松原商店街推しV祭り」と銘打ち、若者らが一推しのアイドルなどを応援する「推し活」を取り入れた。商店街になじみの薄い若者にアピールする考えで、ブイチューバーは幅広い年代のファンを獲得する狙いがある。
同商店街の対象9店舗で計千円以上の商品を購入するとブイチューバーに1票投票できる仕組み。得票数上位5人には商店街でのアナウンスに協力してもらうほか、キャラクターの等身大タペストリーを各店舗に掲示する。投票は今月20日までで、同25日のナイトバザールで結果を発表する。
同組合の伊藤彰芳理事長(56)は「ブイチューバーは私たちにとって未知の領域で不安もあったけれど、既に大きな反響があり、驚いている。若者らに足を運んでもらい、商店街の魅力を知ってほしい」と話す。
◆VTuber(ブイチューバー) 「バーチャルYouTuber」の略称。ユーチューブをはじめとした動画配信サイトで、CGキャラクターを使って歌やトーク、ゲーム実況などのエンターテインメントを提供する人。若者を中心に人気を集めている。