海藻類の天敵として駆除されている相模湾のウニを養殖し、商品化を目指す試みが神奈川県横須賀市佐原のベンチャー企業「くぼたマリンファーム」(窪田千春社長)の手で進められている。湘南漁業協同組合葉山支所の協力で地元のワカメやコンブを与えて育て、8月に新ブランドの「葉山うに」として初出荷する予定だ。
相模湾のウニは近年の海水温上昇に伴って大量発生し、商品価値の高いアワビやイセエビなどが好む海藻類を食べる。一方で捕獲しても中身が痩せていて商品化できず、廃棄するしかない。漁業者にとっては厄介な存在だ。
養殖は同社が湘南漁協葉山支所に海面使用料を払い、真名瀬漁港(葉山町一色)内で行っている。養殖用の直径6~8センチのウニと餌のワカメやコンブは同支所から購入する。
一つの籠に100~150個入れて3カ月間養殖し、身を充実させて出荷する。今年は8月を皮切りに2回で計6千個、来年からは3回で計3万個の出荷を見込んでいる。