横須賀市池上3丁目と同市平作8丁目を流れる水路「池上ふれあい下水道」周辺で日没後、はかなげな光を放ちながらゲンジボタルが舞っている。同所でホタルの再生活動をしている市民団体「いけがみほたるの会」(小出和弘会長)によると、今年は14日ごろから飛び始め、6月上旬まで観賞できるという。同会は「明るい光源を持たないなどルールを守って観賞を楽しんでほしい」と呼びかけている。
ホタルが見られるのは、横須賀署池上交番の裏手で、住宅に挟まれた同下水道沿いの遊歩道約200メートルの周辺。同会が十数年前からホタルが生息できる環境を整備して、今では毎年この時期に観賞できるようになった。今月23日夜にも地域住民らが数多く訪れ、「きれい」「昨年より多いんじゃないか」などとそれぞれ初夏の風物詩を楽しんでいた。小出会長によると、今年は100匹以上が飛んでいるという。
これまでも市内の別の場所でホタルを増やす活動をしてきた小出会長は2012年、池上地区に転居。同下水道で、ホタルの幼虫の餌となる巻き貝「カワニナ」を発見したことから、同会をつくり仲間とカワニナに餌を与えるなど増やす活動を始めた。数年後にはホタルが発生したという。
その後も同会でカワニナへの餌やりや遊歩道の草むしりなど、ホタルの保護活動を続けている。近くの市立池上小学校(同市池上3丁目)の児童にホタルや環境問題に関する校外学習なども行っているという。
小出会長によると、ホタルは午後7時半ごろ~同8時ごろに多く見られる。見学は自由だが、懐中電灯やカメラのストロボなど発光するものは禁止。