夏季は国内最大級のプール、冬季は体育館として運用している横浜国際プール(横浜市都筑区)のメインアリーナについて、市は3日の市会常任委員会で、「通年体育館化」に向けて再整備する構想を明らかにした。プロバスケットボールをはじめ、多様な競技に対応可能な施設を目指すとしたが、市議や日本水泳連盟などは方針決定までの過程に不信感を示し、議論の継続を要望した。
市が公表した再整備事業案では、老朽化が進むメインアリーナの空調や音響の設備、大型映像装置を改修。客席数も現行の約5千席から6千席以上に拡充し、VIP席を用意する。これにより、新体制への移行を掲げるプロバスケットリーグの新たな基準に適合し、メインアリーナを本拠の一つとしている「横浜ビー・コルセアーズ」の試合を継続して開催できるほか、他競技のトップチームも利用可能な施設になるという。
興業の合間には、室内に空気で膨らませる子ども向けの大型遊具を設置し、屋外にも遊び場を整備。スポーツ漫画の図書コーナーも設け、子育て世代の呼び込みを図る。50メートル×10コースのメインプール廃止に伴い、50メートル×8コースの屋内型サブプールの改修にも着手。客席数を355席から500席に増やすとした。
メインアリーナを巡っては、プールから体育館、体育館からプールへと床を転換するため、年間約5100万円の費用と計2カ月の工事期間が必要となっている。2021年度の包括外部監査報告書では、費用対効果を踏まえての「一本化」が提案されていた。