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松本前真鶴町長を起訴 横浜地検、建造物侵入と窃盗罪で 公選法違反は不起訴

カナロコ by 神奈川新聞 2024年6月3日 22時50分

 神奈川県真鶴町の松本一彦前町長(58)が同町の選挙人名簿を不正利用した問題で、公職選挙法違反などの疑いで告発された松本氏ら2人について、横浜地検特別刑事部は3日までに、建造物侵入と窃盗の罪で在宅起訴した。5月30日付で、地方公務員法違反と公選法違反、別の窃盗の疑いについては不起訴処分とした。不起訴の理由は明らかにしていない。

 他に在宅起訴されたのは、元町選挙管理委員会書記長の被告(60)。

 起訴状などによると、2人は共謀して2020年2月2日、町の文書保管庫に不正に入手した鍵で侵入し、19年の県知事選で使われた選挙人名簿抄本を持ち出し窃取した、としている。

 不正利用を巡っては、町が22年9月、公選法違反(職権乱用による選挙の自由妨害)などの疑いがあるとして県警に告発状を提出。

 告発状などでは、松本氏が県知事選で使われた有権者約6600人の氏名や住所などが記された名簿を持ち出し、同氏が出馬して当選した20年9月の町長選で選挙はがきを送る際に使用したほか、21年7月には元書記長と共謀し、住民基本台帳から720人の個人情報を抜き出して町議選に立候補予定だった町議ら3人に名簿とともに手渡した、などとしており、受理した県警は捜査結果を横浜地検に書類送付していた。

 松本氏は問題発覚後に謝罪し、21年11月に町長を辞職。翌月の出直し町長選で再選された。しかし昨年9月の住民投票でリコール(解職請求)が成立して失職し、同11月の町長選には出馬しなかった。今年3月には、町民有志が名簿の持ち出しで精神的苦痛を受けたとして損害賠償を求めた訴訟で、横浜地裁小田原支部は松本氏ら3人に賠償を命じる判決を言い渡した。

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