エンジンからモーターへ自動車業界の電動化シフトが、電線メーカーに新たなビジネスチャンスをもたらしている。業界大手のSWCC(川崎市川崎区)は、ケーブル、巻線(絶縁電線)などの製造に関連した独自技術を駆使し、需要が高まる電気自動車(EV)をはじめとした次世代モビリティー分野の製品開発を強化。先ごろパシフィコ横浜で開かれた「人とくるまのテクノロジー展」への初出展を果たし、オンリーワンの技術を発信した。
自動車技術会が主催し1992年に始まった同展。今回は5月22~24日までの3日間にわたり、国内外の590社が出展し、最新の自動車関連技術、製品を発信した。
初出展した同社のブースの中心には、EVやハイブリッド車(HV)の駆動モーターと電送部品をつなぐバスバー(導体棒)用の耐熱、耐火仕様銅製ワイヤが置かれた。
平らな棒状の銅に絶縁被覆を付けた「平角線」と呼ばれる製品で、同社の羽生俊輔電送営業部長は「顧客ニーズを踏まえ、耐熱ケーブルで培った技術をEV向けに応用した。酸化物をほとんど含まず、高純度で導電性、加工性が高い無酸素銅(ミディップ)をベースに当社オンリーワンの技術を駆使した」と説明する。