岸田文雄首相(自民党総裁)が秋の総裁選前の衆院解散・総選挙を見送る見通しとなったことを受け、菅義偉前首相(衆院神奈川2区)が動き始めた。6日夜には「ポスト岸田」候補として取り沙汰される加藤勝信元官房長官、小泉進次郎元環境相(11区)らと会合。月内には鹿児島、千葉の党県連大会に出席しあいさつする予定だ。4日には横浜市議の後輩でもある佐藤茂市連会長が公然と岸田退陣論を発するなど、政局波乱の雰囲気が漂い始めた。
6日夜に行われた都内の日本料理店での会合には加藤、小泉両氏に加え、萩生田光一元文部科学相、武田良太元総務相の菅内閣当時の閣僚も参加。萩生田、加藤、武田の3氏は頭文字を取り党内で「HKT」と呼ばれる議員グループ。菅氏とは定期的に会合を持つが3月1日には小泉氏が初参加している。
菅氏に近い議員によると、「倒閣運動の始まりか」と党内がざわついたことから最近は開催を控えていたが、「総選挙より前の総裁選の実施がほぼ確実になったので、遠慮は無用との判断に傾いたようだ」という。実際、6日の会合では総裁選が主たる話題に上り議論が白熱したとされる。