横浜港の米軍施設「横浜ノース・ドック」(横浜市神奈川区)への揚陸艇部隊(第5輸送中隊)配備後に、新たな揚陸艇が2隻運び込まれた可能性があることが7日までに分かった。防衛省は当初「配置済の船舶を使用」と説明しており、基地監視を続ける市民団体は「約束違反だ」と批判している。
部隊配備は、2023年1月の外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で合意し、同年4月に配備を開始。当時、防衛省が市に出した資料には、部隊は13隻280人で編成という情報とともに「新編に伴う船舶の増加なし(横浜ノース・ドックに配置済の船舶を使用)」と記載されていた。運用開始を控えた今年1月も同様の文言を記載した資料を出している。
基地監視団体「リムピース」によると、部隊配備前には確認されていなかったLCU(汎用(はんよう)揚陸艇)「キングスマウンテン」「パウルス・フック」が昨年12月と今年5月に運び込まれた。加えて、保管していたLCM(機械化揚陸艇)がすべて施設外へ運び出されたという。同団体の星野潔さんは「米陸軍の混成揚陸艇部隊は老朽化したLCMに代えて最新のMSV(機動支援船)を入れる計画がある。ノース・ドックにもそう遠くない時期にMSVが運ばれてくる可能性がある」と指摘する。