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登山の道迷い、ビッグデータ解析し防止 神奈川県とアプリ「YAMAP」

カナロコ by 神奈川新聞 2024年6月8日 13時0分

 登山に関するビッグデータを活用して県内の山岳遭難事案で約27%を占める「道迷い」を防ごうと、県と県警、登山用地図アプリ「YAMAP」を運営するヤマップ(福岡市)は5日、「山岳防止に関するDX協定」を締結した。同社によると、山岳遭難防止に特化した官民連携の協定は全国初という。

 県警地域総務課によると、2023年に県内で起きた山岳遭難事故の発生件数は179件で、遭難者204人、死者14人。統計が残る1973年以降でいずれも過去最多だった。  

 遭難者は道迷いが約27%の55人で最も多く、道標設置などの対策が急務となっているが、これまでは効果的に設置できていない場所もあったという。

 そこで注目したのが、累計ダウンロード数約440万件(今年5月時点)に及ぶアプリ「YAMAP」の利用者が投稿する写真や文書といったビッグデータ。協定では同社が持つビッグデータを基に県内登山道の迷いやすい地点を算出して共有し、県や県警が道標設置などの対策を進める内容などを盛り込んだ。

 県庁で行われた協定式には、黒岩祐治知事と直江利克県警本部長、同社の春山慶彦代表取締役CEOが参加。春山CEOは「自治体と民間、それぞれにしかできないことがある。お互い手を取り合って課題の解決に取り組みたい」と話した。

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