移り住んだからこそ、見えるリアルがある─。神奈川県横須賀市在住のフリーライターの木内アキさん(50)が移住者の視点で横須賀を伝える小冊子「ヨソモノ」を刊行した。「横須賀に生きていることを自分事とする人々の思いを伝えたい」と情熱を込めた一冊となった。
ヨソモノは好きなテーマ、デザインで自費出版する「ZINE(ジン)」として制作した。創刊号は「横須賀ぐらし。」がテーマ。木内さんのエッセーに加え、古書店やコーヒー豆店を営む人々や他県へ移住した夫婦のインタビューなどを掲載。写真は同市出身の写真家、橋本裕貴さんが担った。「よそ者として外から見えるものがあり、地元の人の視点もある。あなたはこの街をどう捉えますか─と、一石を投じたいと思った」
「昭和レトロ」な雰囲気が残る横須賀には、米軍基地があり多様なルーツを持つ人々が過ごす。白い制服を着た防衛大生もいる。「ごちゃ混ぜな街の魅力が好き。私にとって面白いと思っている愛着を形にしたかった」
おしゃれなスポットを紹介するガイドブックとは違う。生活者としての声が聞こえる内容を詰め込んだ。
1500円(税込み)。「文教堂横須賀モアーズ店」(同市若松町)などで販売。「YOSOMONO BOOKS」オンラインショップでも購入できる。