漁港を舞台に海の幸や自然の魅力を伝える三浦市発祥の言葉「海業(うみぎょう)」が全国に広まり、漁村のにぎわい創出に一役買っている。漁業の担い手が不足する中、観光客や釣り客を呼び込むことで地域の所得向上や雇用機会の確保のほか、次世代への継承にもつながるとして政府を挙げて海業の推進に取り組む考えだ。
海業は1985年に同市の久野隆作市長(当時)が提唱した言葉で、漁港の人々が海や漁村に関する地域資源の価値や魅力を活用して経済効果を生み出す取り組みなどと定義される。
「一言で言えば海の地方創生だ」。自民党の小泉進次郎元環境相(衆院11区)は今月7日、自らが座長を務める党の水産総合調査会「海業振興勉強会」で取りまとめた提言書を岸田文雄首相に手渡した際、そう解説してみせた。
首相は、政府が6月にまとめる「骨太の方針」に海業の推進を明記すると表明。水産業と漁村の持続的な発展をうたう提言を終えた小泉氏は「今まで以上に海業の取り組みを力強く推進する流れがはっきりした」と手応えを語った。