6連勝と絶好調のJ2横浜FCを下支えしているのがベテラン勢の奮闘だ。「手応えがある試合が多い。もっと使ってくれよという気持ちは常にあった」と誇るのは前節熊本戦で今季2ゴール目をたたき込んだMF三田啓貴(33)。29日のアウェーいわき戦(午後6時・ハワスタ)も渋い輝きを放ってくれそうだ。
人生は30歳を超えてからが味わい深い。31歳のDF福森が「悪魔の左足」から11アシストをたたきだし、同学年のFW小川も直近2戦連続2ゴールと大暴れ。触発されるように熊本戦では三田が技ありのヘッドで5―0の大勝を締めくくった。
「合うか合わないかは別として、ここに来たらフリーで打てるという状況をつくり出さないといけない。信じて何回もあの動きをし続けることが大事」。それこそ重ねてきたキャリアで得た教訓。経験に裏打ちされた一撃に四方田監督も「相手を一瞬うまく外すような動きは、フォワードの選手も見習ってもらいたい」と手放しで褒めたたえる。
昨季FC東京から加入も中盤の熾烈(しれつ)な競争の中、描いたようなシーズンは送れなかった。今季も出番をうかがう立場だが、本職のボランチに加えてシャドーストライカーでも起用され、天皇杯含め3ゴールと力を示している。
「シャドーで出た時は前とボランチとのつなぎ役になるというところは自分の得意なプレー」。気持ちは切れない。「シャドーもボランチもいい選手がたくさんいて両方激戦区ではあるけれど、結果を残し続ければ競争に加わっていける」
今季キャンプ時から好調をキープできている自負がある。「スタメンで出ないと自分のプレーを表現するのは難しい。何とか結果を残し続けてヨモさん(四方田監督)にスタメンで使ってみたいと思わせるしかない」。円熟のプレーと若々しいハングリー精神が同居している。