秦野市がデジタル地域通貨を導入する。決済インフラとしての安定性を重視し、横浜銀行に運営を委託。3年後までに市人口の4分の1ほどの利用規模が目標で、本格的な地域通貨になりそうだ。表丹沢にあやかった「OMOTAN(おもたん)コイン」と命名し、12月に発行する。
1円=1コインとして、専用アプリのほか銀行ATMや専用機からチャージし、取扱店にあるQRコードを読み込んで決済する仕組み。3年後のKPI(成果指標)は利用者を市人口の4分の1規模の4万4千人、加盟店舗を市内の半数弱に当たる800店とした。決済額は年間26億4千万円まで成長させたい考え。秦野商工会議所が店側の導入・運用を支援し、普及を後押しする。
小田急線4駅が集まる市域は都心にアクセスしやすく、消費の市外流出が課題だった。コインは市内の実店舗のみで使え、地域の消費喚起を図る。新型コロナウイルス禍で発行した紙媒体のクーポンはコストがかさんだという教訓から、キャッシュレス化の推進も狙い。