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「川崎記念で優勝を」 デビューから3年目 念入りな分析欠かさず、夢追いかける女性ジョッキーに迫る

カナロコ by 神奈川新聞 2024年7月16日 5時0分

 川崎競馬に所属する女性ジョッキー、小林捺花さん(19)は馬を勝利に導くため、技術の磨き上げに余念がない。本年度から毎年4月に川崎競馬場(神奈川県川崎市川崎区)で行われている同競馬場最大級のレース「川崎記念(Jpn1)」での優勝を目指す。小林さんは「まず目標は50勝。一歩ずつ近づいていく」と力を込める。

 小林さんは幼い頃から、月に1回、乗馬をしていた姉の影響を受けて馬に興味を持つようになった。家にあったテレビゲーム「ファミリージョッキー」で遊びながら、騎手のイメージを膨らませることもあった。

 「騎手ってどんな職業なんだろう。楽しいのかな」

 騎手になりたいと考えたのは小学5年の頃。両親から「競馬場に行ってみるか」と聞かれたことがきっかけで、川崎競馬場を訪れた。

 場内は多くの競馬ファンでにぎわっていた。勝利をつかみ、ファンから拍手で迎えられる騎手の姿を見て「大歓声を浴びられる仕事はとても格好良い」と、「将来の夢」に掲げるようになった。

 「乗馬を習わせてくれないか」と両親に頼み込んだ。「勉強もちゃんとやるなら」と認められ、中学1年から乗馬を始めた。

 小学生の頃はピアノや和太鼓、合唱などをしていて身体を動かす習い事は、ほとんどしていなかった。運動神経も自信があったわけではない。それでも、中学を卒業してからは地方競馬教養センターの試験に合格し、騎手の道へ歩みを進めた。

 センターでの騎乗練習では、馬の速さに驚いて恐怖を感じることもあったが「騎手になりたい」と、一貫した思いを持って卒業までたどり着いた。

 デビュー戦の2022年4月4日はあいにくの雨。視界が悪く、冷静な判断ができなかった。出走する12頭中、5番人気の支持を集めたものの結果は8着。「悔しかった」と当時を振り返る。

 初勝利は同27日に浦和競馬場(さいたま市南区)で行われた第1レース。レース前に競馬新聞を読み、自分が騎乗する馬や相手の研究をしたことが結果に結びついた。いまでもそうした研究は欠かさないという。

 今年でデビューから3年目の小林さんは「川崎記念で優勝できることは夢のまた夢かもしれない。でも騎手になった以上は、一つ一つの勝利にこだわりながら夢をかなえたい」と川崎で夢を追いかける。

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