自民党新人議員の古川直季氏(衆院神奈川6区)が派閥裏金事件を念頭に公の場で「普通の企業ならば責任を取る」と述べ、岸田文雄首相(同党総裁)に退任を事実上迫ったことが波紋を広げている。古川氏は横浜市議出身の無派閥で、菅義偉前首相(同2区)とは同じ生い立ち。「側近を使って追い打ちをかけ始めた」(自民中堅議員)との推測が成り立つからだ。総裁選に向けた夏の党内政局が早くも過熱しそうな気配だ。
「普通の企業であればしっかりと責任を取っていくのが普通だ。そういう意味では、(総理は)やっぱり全く責任を取っていないという見られ方をしても仕方がない」
14日に旭公会堂(同市旭区)で開かれた自身の選挙区支部主催の集会。出席者によると、ほぼ満席となった聴衆の前で古川氏は「党改革をしっかりできるリーダーシップを持った人に総裁になってもらいたい」と語り、ゲストに招いた党県連会長の小泉進次郎元環境相(同11区)を「総裁候補の1人だ」と“指名”した。