米軍関係者による性犯罪を巡り、2021年から今年6月末までの間に神奈川県内で米軍人などによる性犯罪が2件発生し、いずれも非公表とされていたことが17日、県警への取材で分かった。非公表の理由について、県警は「被害者の2次被害防止や報道による被害者の精神的苦痛への配慮のため」などとしている。
県警国際捜査課によると、22年に強制性交致傷容疑で米軍人を書類送検し、今年、不同意わいせつ容疑で米軍属を逮捕した。その後はいずれも起訴猶予か不起訴処分になったという。
事件の公表について、同課は「公益上の必要性や被害者などのプライバシーへの影響、公判への影響などを総合的に勘案し、慎重に判断している」と説明。性犯罪については「2次被害防止や報道による被害者の精神的苦痛への配慮といった観点も加わる」とした。
その上で、非公表とした判断について同課の担当者は「基本的には再発防止に向けて公表したいが、諸事情を勘案した。米軍関係者だからといって特別扱いはしていない」と強調する。
捜査関係者によると、性犯罪については、容疑者が米軍関係者だった事件に限らず非公表とするケースは少なくないという。