江戸時代中期に活躍した絵師・伊藤若冲(じゃくちゅう)(1716~1800年)の作品を西陣織で再現した全国巡回展が21日まで、鎌倉芸術館(鎌倉市大船)で開かれている。入場無料。
巡回展は需要が激減している西陣織の魅力を再発見してもらおうと、京都市内の西陣織業者などでつくる実行委員会が2017年から展開。これまで全国延べ約400カ所で巡回展を開催してきた。
京都出身の若冲は緻密な筆遣いで動植物を写実的に描くのが特徴。鮮やかな色使いをコンピューターで分析し、髪の毛よりも細い1万本以上の糸を編み込んで再現した。
鎌倉での展示会は2年ぶりで、会場では日の出と共に鳴き声を上げる鶏を描いた「旭日雄鶏図」や優雅なクジャクの「老松孔雀(くじゃく)図」など約50点が並ぶ。実行委の担当者は「豪華絢爛(けんらん)な西陣織の技術の高さを見てほしい」と呼びかけている。
午前10時~午後5時(最終日は同4時)。