パリ五輪のサッカー男子日本代表は24日(日本時間25日)に戦いの火ぶたを切る。躍進へのラストピースとして乗り込むのがバックアップメンバーとして追加招集されたJ1横浜MのFW植中朝日(22)だ。「漫画のような」慌ただしさで現地入り。「なかなか経験できることではないので全て吸収し、出ても出なくても日本のためにやりたい」と闘志を燃やした。
「ばたばたしていて、今から帰って準備しないと」。20日の町田戦後、連勝の余韻もそこそこに気持ちを切り替えていた。せわしい旅程にも高揚感はあふれんばかり。「大会のレギュレーションが変わって出られる可能性も少しはあると思う。いつ出番が来てもいいように準備したい」
思いがけない巡り合わせだったという。「大枠に入るとメディカルチェックに行くと思うけど、自分は行っていなかったんで本当にびっくり」。今月3日の代表発表で選から漏れ、一度は意識の外に置いていた。緊急招集の一報も「昼寝していて強化部長からの電話で起きた」というくらいだ。
重圧が懸かる大舞台も、日頃培ったスタイルを貫けば結果は残せると自負する。「以前、大岩監督からもマリノスでやっていることをそのまま出してくれればと言われたので」。根っこには今季の飛躍を導いたキューウェル前監督への感謝もある。
「個人戦術的な部分に加え、一番前だけではなくインサイドハーフでも使ってもらって選手としての幅も広がった。そういったオプションができたことで今回入れたんじゃないかと思っている」。見据えるのは日本サッカー界の悲願。明けの鐘を鳴らすのは旭日昇天のストライカーだ。