プロ野球の横浜DeNAベイスターズで活躍する関根大気選手が、今秋から「児童発達支援・放課後等デイサービス」の事業をスタートさせることが23日までに分かった。第一線でプレーする現役選手がシーズン中に新たなビジネスを始めること自体も珍しいが、スポーツとは違うフィールドでの挑戦もまた異例とも言える。プロ11年目の29歳は「福祉を専門に経験していない僕だからこその視点もあるはず。うまくいかないこともあるかもしれないけど、来て下さる子どもさんや親御さんの心のよりどころになるような施設にしたい」。1998年以来のリーグ制覇、日本一の目標とともに新たな夢を追う。
今年10月から横浜市磯子区で「児童発達支援・放課後等デイサービス」を開所し、児童らの受け入れを始めるという。施設には「グローブ」と名付け、メガホンなどをあしらったロゴにも思いを込めた。
「野球からも連想できるように、受け止めるという意味や、子どもたちのさまざまな個性を包み込みたい。メガホンには後押しをしたい思いを表した。英語の『globe』には世界という意味もある。僕自身が日本を離れて、メキシコで経験したこと、学んだことを少しでもつなげたい」
2019年10月、プロ6年目のシーズンが終わると、関根選手はメキシコでのウインターリーグに参加した。異国の地でのチームメートにはいつもポジティブな言葉を掛けられ、自信を持ってプレーすることの大切さに気付かされた。その体験こそが、今回の事業で重要視していることだ。
「子どもたちにはいくつもの多様な経験をしてもらいたい。その経験を通して未来の可能性を広げてほしい」
今季はここまで57試合に出場し、アグレッシブな走塁や果敢な守備でチームに貢献してきた。前半戦を3位で折り返したチームはここから勝負の夏を迎える。「ベイスターズで優勝したいし、そのために全てを出し切る覚悟で後悔をしないように過ごしている。今は『家族やファンのために』と言っているけど、今度は通所する子どもたちのために、という新たな気持ちが生まれ、もっと野球を頑張れると思う」
問い合わせは、グローブ開設準備室(https://glove-globe.com/)まで。