「芸術は、自由の実験室─夏のアートキャンプ展」と銘打った企画展が「川崎市岡本太郎美術館」(同市多摩区)で開かれている。岡本太郎現代芸術賞を受賞した4人の作家による自在な発想から生み出された作品が展示されているほか、実際に創作する現場を見て楽しむこともできる。9月1日まで。
岡本太郎は、「芸術は見るだけでなく全ての人の作るものであり、自由な衝動のままに勝手気ままに描ける子どもたちだけでなく、精神の皮が硬くなってしまい、自分自身の『自由感』を忘れてしまった大人にも有効な『自由の実験室』なのだ」と語ったという。
企画展はこの発想がコンセプト。枠にとらわれずに作り出された自由な作品の迫力を感じることができる。出展しているのは、舞踊のように大きく体を使って描く國久真有さん、描きたいようには描けない仕掛けがある独創的な絵筆「グングニル」を使って制作する園部惠永子さんのほか、漫画雑誌「週刊少年ジャンプ」を作品の材料に使うことで知られる西除闇さん、麻を重ねた成形と素材で表現する村上力さん。出展者が制作している過程を見ることもできる。
企画を担当する学芸員は、「公開制作中の作家との対話や体験できる作品もある。夏休みのひとときを楽しみに来て」と多くの来場を呼びかけている。
午前9時半から午後5時まで。観覧料は大人900円、中学生以下は無料。問い合わせは、同館電話044(900)9898。