がんの治療などで髪の毛を失った子どもたちに医療用ウィッグ(かつら)をプレゼントするための「ヘアドネーション」のイベントが8月6日、川崎市高津区の市生活文化会館(てくのかわさき)で開かれる。
福祉理美容師ネットワーク「Ribinet(リビネット)」の代表で、同市宮前区で美容室を営む戸塚貴博さん(52)は「少しでも髪の毛を寄付したいという気持ちがある方ならぜひ来てください」と来場を呼びかけた。
同団体は理美容師仲間に声をかけて設立し、2015年から活動をスタート。これまで約80人の子どもらに、ウイッグをプレゼントしてきた。今回は理美容師ら30人が参加する予定で、25年1月に「成人式」を迎える男性や女性にもヘアドネーションで製作したウィッグを贈る予定だ。
戸塚さんは「プレゼントとなると18歳未満が対象となることが多い。成人になる方々にも気兼ねなく参加してもらいたい」と言う。
ウィッグ用の髪は32センチほどの長さが必要で、集まった髪の毛は中国のかつら工場でウイッグに生まれ変わるという。短い髪も廃棄せずに漆塗り用のはけとして活用される。
近年は各自治体が外見の変化による苦痛を和らげる「アピアランスケア」に力を入れており、ウィッグなどの購入に対する助成金制度も始まっている。
戸塚さんは「免疫性の病気はなかなか完治が難しい。できることをやっていきたい」と力を込めた。
当日は午前10時から午後4時まで。会場では、別の理美容師グループ「NPO PRIC JAPAN BEAUTY」も発展途上国の小学校建設のためのチャリティーカットを実施する。