山中で滑落し行方不明になった女性を2日ぶりに発見し一命を救ったとして、逗子署は24日、県警の警察犬「ジゲン」(ジャーマンシェパード、雄、5歳)に表彰状を贈った。ジゲンはこれまで10件の行方不明者の捜索で人命を救った。不明者や証拠品などの捜索での表彰は今回で20回目となる警察犬のエース。ジゲンとコンビを組む県警のハンドラーは「ジゲンを信じて突き進んで不明者を見つけることができた。自分の良き相棒」と胸を張っている。
署によると、6月29日朝に逗子市沼間の山中でハイキング客がスマートフォンを見つけたことから、持ち主で市内で1人暮らしの70代女性が行方不明になっていることが判明。山中に設置されている防犯カメラに28日夜に山道を歩く女性の姿が写っており、県警が捜索を開始した。
しかし、一度は別の警察犬2匹が山中を捜したものの女性を見つけられなかった。30日朝に捜索活動に加わったジゲンは、女性の枕カバーのにおいにすぐ反応し、30分足らずで草木の生い茂る崖下で座り込む女性を見つけた。
女性は夜間にハイキングコースから足を踏み外して高さ100メートル以上の斜面を滑り落ちたとみられる。30時間以上も崖の底で助けを求め、軽い擦り傷と衰弱はみられたが、命には別条なかった。ジゲンが近づくと女性は「助かった」と安心した様子だったという。