明治安田J2は約2週間の中断が明け、8月3日に再開する。清水、長崎、横浜FCの3強による優勝争いはいよいよ激化。中盤戦の8連勝で勝ち点を50に乗せた横浜FCは、首位清水と2差の3位で十分に射程圏内だ。「正直、今年が一番手応えはある」とDF武田英二郎(36)。2018年、22年の記憶をたどりながら昇格への道を思い描いている。
中盤や最終ラインは昨季J1を経験した選手らで固め「スタンドから見ていても、ベンチに入っても後ろが安定しているのがでかいと感じる」。計14失点はリーグ最少。DF福森の左足の威力とともに、堅固な牙城が好調を引き寄せている。
「2年前は逆に失点しても点を取ればいいみたいな感じで、結果としてそういう試合が多くなっちゃった」と武田。「苦しくて苦しくて、勝っても内容がきつかった」という22年とは比較にならない安定感がある。
18年も守りを固めて前線の外国籍選手の破壊力でもぎ取る試合が目立ったが、「チームとしての厚みもちょっと違うんじゃないかな。あの時はそれこそ出てる11人プラス2、3人という感じだった。今は誰が出ても、誰がけがしてもみたいな印象がある」。実際、MF井上、DFガブリエウを欠いた序盤戦を2敗でしのぎ、連勝中も日替わりでヒーローが誕生していた。
とはいえ、「内容はそんなに大事じゃない。どんなにいいサッカーをしても(J1に)上がれなかったら意味はない」と武田。再開直後に訪れる一つ目のヤマ場は8月10日の長崎戦、9月末の清水との直接対決も死力を尽くして取るしかない。
残り14戦。「結局1年のトータル。今がいいからいけると思わず、目の前の一試合一試合を大事にしたい」。最後に笑うためにも、この夏が勝負だ。