「名付け親」募集中です─。横浜市が公共施設の命名権(ネーミングライツ)制度による財源確保策を本格化させている。第1弾として7月、ごみ焼却工場の金沢工場(金沢区)で命名権者(スポンサー)の公募を開始。さらに、大気汚染物質を測定する設備でも公募に乗り出した。保有資産をフル活用して新たな収入を生み出し、施設の維持管理費に充てる考えだ。
ネーミングライツ制度は、公共施設などの愛称として企業名や商品名を採用する代わりに対価を得る仕組み。米国発の手法とされ、国内では2003年の「味の素スタジアム(正式名称・東京スタジアム、東京都が所有)」が皮切りとなった。
市は全国自治体の先行組として、05年に「日産スタジアム」(港北区)で制度を導入。その後も「ニッパツ三ツ沢球技場」(神奈川区)や「はまぎんこども宇宙科学館」(磯子区)などに対象を広げてきた。本年度は15施設で計約2億3千万円の契約料を受け取る。
さらに財源を捻出するため、今春に新たな候補として14種168施設をリストアップ。スポンサー活動に関心を寄せる企業から意見を聞き取る対話型の調査に着手し、需要がありそうな施設を探るとともに、契約料などを検討していた。
まずは今月、市内に4カ所あるごみ焼却工場の一つ、金沢工場で命名権者の募集を始めた。希望額は年間50万円以上で、愛称の使用期間は来年4月から5年間に設定。公募では工場の魅力アップや地域貢献につながるプランも求めている。申し込みは今年8月9日まで。