特産の梅を天日干しにする「土用干し」が神奈川県小田原市の曽我梅林で最盛期を迎えている。夏の日差しの下に塩漬けされた梅がずらりと並べられ、梅干しのじゅうたんが広がっている。
土用干しは梅干し作りの工程の一つ。収穫した梅を3週間ほど塩漬けにした後、梅雨明けした「土用」の時期から晴天の日を選んで3日間、天日干しにする。殺菌効果があり、水分を飛ばして熟成させる狙いがある。
同市曽我別所の農家川久保和美さん(70)=JAかながわ西湘梅干し生産部長=方でも、地元特産の十郎梅を並べ、ひっくり返す作業に追われていた。
今年は天候不順の影響で、市内の梅の収穫量は例年の4割減になっているという。川久保さんは3.5トンの梅を漬け込む予定で、8月中旬まで土用干しの作業を行う。「十郎梅の梅干しは肉厚で皮が薄くやわらかいのが特徴。ぜひ味わってほしい」と話していた。(佐野 克之)