昨年度に神奈川県内の消費者生活相談窓口へ寄せられた6万3859件(前年度比284件減)の相談のうち、点検と称して電話や訪問をして「工事をしないと危険」などと不安をあおり契約させる「点検商法」に関するものが過去最多だったことが、県のまとめで分かった。一方で若者からは美容医療に関する相談が増加。県は注意を呼びかけている。
県消費生活課によると、昨年度の点検商法に関する苦情相談件数は2471件で、前年度の1348件から約1.8倍に増えた。全国消費生活情報ネットワークシステム(PIO-NET)で集計可能な2014年度以降で最多の件数だった。
特に増えたのは、屋根の工事と給湯器の交換に関する相談。屋根工事では、突然訪問してきた事業者から「屋根が古いので無料で点検する」などと言われて依頼すると、撮影した屋根の写真を見せながら「放置すると雨漏りする。修理しないと大変なことになる」などと不安をあおられ、言われるがままに高額な契約を結んでしまった事例があるという。