鎌倉市役所庁舎の移転が計画されている同市深沢地区が震度6クラスの地震で液状化が発生し、地表面が最大4センチ沈下する可能性があることが7日、分かった。この日開かれた市議会の「新庁舎等整備に関する調査特別委員会」で市側は「液状化の危険は軽微で過度な対策は合理的ではない」と計画通りの深沢移転を主張したのに対し、議員からは「震度7の被害を想定すべきだ」「何が合理的な対策なのか」と市の姿勢を疑問視する声も上がった。
市は2011年度に深沢地区でボーリング調査を実施し、調査地点6カ所のうち液状化が発生するのは1カ所のみとした。その後、国の指針が改訂されたことから、同地区の土地区画整理事業を進めるUR都市機構が昨年、改めて11年時点のデータから液状化リスクの再検討を行った。
再検討ではマグニチュード(M)7.5の直下型地震の揺れを想定した結果、6カ所のうち4カ所で液状化による地盤沈下が発生することが判明。柏尾川沿いの西側地区では地表面が最大4センチ沈む計算となった。
一方で新庁舎建設予定地では液状化は発生しないとされた。液状化の危険度を示す液状化指数は柏尾川沿いの地点で最大4.86で、国の基準で「危険度が高い」とされる指数5をいずれの地点も下回った。