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横浜市、マンホールトイレ設置の助成上限額60万円に 従来より倍増

カナロコ by 神奈川新聞 2024年8月8日 11時50分

 大規模災害時に下水道設備を活用する「マンホールトイレ」の設置を加速させるため、横浜市は今月、1基当たりの助成上限額を倍増して60万円に引き上げた。能登半島地震の被災地の状況などを踏まえ、これまで建物1棟につき1基としていた対象も2基に拡充。マンションや自治会での設置を後押しし、災害時のトイレ不足解消を急ぐ。

 マンホールトイレは、汚水や雨水の排水設備につながる管「汚水升」のふたの上に設置する便器やテントのほか、し尿を流すための雨水をためておくタンクなどの総称。日常的に使う水洗トイレに近い環境を確保しやすい利点がある。

 新たな助成制度では、自治会やマンションの管理組合だけでなく、市に認定された「地域まちづくり組織」を対象に追加。所有する建物の敷地内にマンホールトイレを設置する場合、便器やテント、雨水貯留タンク(200リットル以上)などの購入費に加え、排水管の工事費などの最大9割(上限60万円)を助成する。さらに、男女別のトイレを確保しやすくするため、建物1棟につき1基だった対象を2基に増やした。

 制度は2019年度に試行的に開始。21年度には45基の設置費用を助成したが、その後は下降線をたどり、直近の23年度は9基にとどまった。市は本年度予算に事業費として、前年度と同額の約1800万円を計上。今月から来年1月末まで申請を受け付け、30基程度の助成を見込んでいる。

 担当者は「災害用トイレへの関心を高めて設置のペースを速めたい」と話している。汚水升のふたは一般的に、道路に敷設されたマンホールより小型で、市内には建物の敷地内などに約140万カ所あるという。

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