岸田文雄内閣の3閣僚が相次ぎ政治資金パーティーを開いた。このうち麻生太郎・自民党副総裁の派閥ナンバー2でもある鈴木俊一財務相は地元岩手で今月3日に開催。「大臣規範」は在任中の大規模パーティー自粛を定めているが、有名無実化の実態が露呈している。
ほかに開催した武見敬三厚生労働相、松本剛明総務相はいずれも麻生派。内閣の評判低下につながるパーティーの開催が野放し状態となっており、党内には「麻生氏が岸田総理を見限った。もはや『支えない閣』だ」(自民幹部)との臆測が広がっている。
共同通信などの報道によると、鈴木氏のパーティーは年2回程度開催している「政経セミナー」で会費は1万円。党岩手県連関係者ら約250人が出席し鈴木氏が約1時間にわたり講演した。その後に懇親会も行われたという。鈴木財務相は8日の閣議後記者会見で「違法でもなければ脱法でもない」と開催を認めた。
7月30日には同県選出の広瀬めぐみ参院議員が公設秘書の給与をだまし取った疑いで東京地検特捜部の強制捜査を受け自民を離党した。一方、金融市場では政策金利引き上げを巡って動揺が広がり、鈴木財務相ら政府側の説明責任が問われている。そんな中でのパーティー開催に自民のベテラン議員は「下り坂政権ならではの最悪の巡り合わせ」とあきらめ顔だ。