パリ五輪に出場した体操の日本代表が8日、羽田空港に帰国して記者会見し、初出場で団体総合、個人総合、種目別鉄棒の3冠に輝いた20歳の岡慎之助(徳洲会)は「おととし膝の(前十字靱帯(じんたい)断裂の)大けがをして、多くの方々がサポートしてくれた。金メダルを獲得できてうれしい」と感謝の思いを口にした。3種目制覇は日本勢52年ぶりの快挙だった。
首に下げた金メダルがまぶしく映る。団体総合、個人総合、鉄棒の金含む計4個のメダルを獲得した星槎国際高横浜出身の岡は「チーム全体で団体も個人もメダルを目指してきて、結果的に金メダルを獲得できてうれしい」と実感を込める。
日本勢52年ぶりの3冠達成は1972年ミュンヘン大会の加藤沢男以来。快進撃を続けた20歳は「(記録は)あまり知らなくて、結果的にはうれしい気持ち。個人的には平行棒の銅メダルも自分らしい演技ができた」と華々しい五輪デビューを振り返った。
団体総合決勝では平行棒でチームトップのスコアを出すなど美しい演技で日本チームの大逆転を後押し。個人総合では6種目いずれもノーミスと中国勢を寄せ付けなかった。種目別でも得意の平行棒で20年ぶりの表彰台。鉄棒は離れ技「コールマン」で頂点を極めた。
2年前に右膝を故障し、フランス入り後の事前合宿では体調不良にも苦しんだ。数々の苦難を乗り越えて得た勲章に「これからも連覇を常に狙って勝ち続けられる選手になりたい」。新王者が新たな志を口にした。
◆杉野正尭の話
最高の形で終えることができた。目指してきた場所でもあり課題も見つかり、次に向かっていけるパリ大会だった。(メダリストが出られる)「チャンピオンズパーク」は心に残った。