海洋プラスチックごみであふれた2050年の海を、世界の巨匠が描いたら─。人工知能(AI)で再現した作品が、横浜高島屋(横浜市西区)に展示されている。海洋保全の大切さを伝える試みで、横浜八景島(同市金沢区)と共同で企画した。13日まで。入場無料。
国際会議の試算によると、少なくとも年間800万トンのプラごみが海洋に流出し、50年に魚の総重量を超えるとされる。その未来を葛飾北斎やゴッホが描いたと仮定。両氏の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」や「サント=マリー=ド=ラ=メールの海景」といった名画をAIで加工し、無数のプラごみが漂う風景に描き換えた。
劣化して5ミリ以下の「マイクロプラスチック」になったごみも、生態系にとって有害とされている。会場では、実際に回収したマイクロプラを雪に見立てたスノードーム作品も展示。ごみで充満した海中を、カクレクマノミやアオウミガメが泳ぐ深刻さを表現した。