地球温暖化対策として「28度程度」に設定されている東京・霞が関の中央省庁の冷房温度について、河野太郎国家公務員制度担当相(衆院神奈川15区)は「適切な運用」による見直しを各府省に呼びかけた。河野氏は8日の閣議後会見で「予算の制約ではなく、習慣でやっていることが多い」と述べて科学的な根拠を疑問視した。これまでも見直しを求める声があったが、河野氏は持ち前の「突破力」で官僚たちの職場環境改善につなげたい考えだ。
政府は2021年の閣議で、温暖化ガス排出削減のための実行計画に基づく省エネ対策として庁舎の適切な温度を「冷房は28度程度」と決めている。
庁舎は全館空調などで思うように調整が効かず、夜間は冷房の利用制限もあるなど課題が山積。35度以上の猛暑日になっても冷房の設定温度を28度以下にできないとして、ある官僚は「日差しが差し込む窓際は酷暑の中で働かなければならず、これでは仕事にならない」と汗をにじませ不満たらたらだ。
河野氏は「良好な勤務環境で効率よく仕事をしてもらわなければならない。空調設備の運用の適正化を各省庁にお願いする」と述べ、内閣人事局として通知を出したと明かした。「やむを得ず定時後も仕事をしなければならない場合には引き続きしっかりと冷房を使ってもらい、効率よく仕事を終えて早く帰ることが大事だ」とも述べた。