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「早く帰りたい…」小田原駅前タクシー乗り場は長蛇の列 神奈川県内各地で衝撃と動揺「いきなりドーンと縦揺れ」

カナロコ by 神奈川新聞 2024年8月9日 21時15分

 神奈川県西部で9日夜に最大震度5弱を観測した地震。南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された翌日だけに、市民らに衝撃と動揺が広がった。「まさか、神奈川で起きるなんて…」。鉄道がストップしたほか、ホテルやコンビニ内で混乱が生じるなど、帰宅途中の利用者らは不安げな表情を浮かべた。

 震度4の揺れを観測した小田原市内では、小田原駅を発着する在来線、新幹線の全線が運転を見合わせた。100人以上の利用客が改札口近くに集まり、駅員が「全線で安全確認を行っています。運転再開の見込みは立っていません」と説明すると、落胆した様子が広がった。

 同駅前のタクシー乗り場には長い行列ができ、南足柄市の男性会社員(43)は「早く家に帰りたいが、どうしようもない」とため息をついた。

 震度5弱を観測した厚木市に住む男性(46)は発生時、東京都内にいた。「小田急線が全て止まっていて動けない。自宅近くに住む母から『冷蔵庫が倒れそうになった』と連絡があった。母は1人暮らしなので心配」と不安げに話した。

 同市内のコンビニでは買い物客が数人いて、カウンターにしがみ付いたり、その場に座り込んだりして揺れが収まるのを待っていたという。女性店員(34)は「最初に横揺れが続いた後、いきなりドーンと縦揺れに変わった。体感で5分ぐらい続いた。怖くて、しばらく体が震えていた」と話した。

 「これほどの大きな揺れは体験したことがない」と話したのは、同市のホテルに勤務する女性スタッフ(36)。エレベーターが止まり、宿泊客は階段を利用してもらうなどして対応したが、大きな混乱はなかったという。この日は約200人の予約が入っていたが、小田急小田原線が運転を一時見合わせた影響で数人がキャンセルしたという。女性スタッフは「また大きな揺れがなければいいけれど…」と不安そうに話した。

 JR横浜駅では、30代男性が「会社の同期と酒を飲んでいたら緊急地震速報が鳴った」と振り返り、南海トラフ巨大地震の注意情報もあっただけに「もっと大きな地震が来ないか、怖い」と不安そうな表情を浮かべた。東海道新幹線が一時運休した新横浜駅では、大阪からコンサートで訪れた20代女性が「下り新幹線の最終電車で指定席を取っていたが、急に帰れなくなってしまい大変」と困惑した様子だった。   

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