プラント、環境設備建設大手の三菱化工機(川崎市川崎区)は、創立の地である本社・川崎製作所を再編する。国内産業の発展と歩調を合わせ、化学工業機械の国産化を担ってきた同製作所。脱炭素や資源循環といった社会課題に対応し、これまでに培ったコア技術、新技術を基盤に戦略的事業領域の拠点へと再構築する。
同製作所は同区大川町にあり、敷地面積は約5万2千平方メートル。1935年の創立以来、同社のモノづくりの主力工場として、船舶向け油清浄機をはじめ多くの単体機械製品やプラント関連製品の開発、製造などを担ってきた。2012年には、当時三つあった工場の一つを油清浄機専用工場として建て替えた。
今回の再編では老朽化が進んだ、残る工場や事務所棟、研究棟などを解体。27年2月をめどに、事務所と研究所の機能を備えた事務所研究棟と、次世代製品の生産や既存の産業機器・船舶環境規制対応機器の組み立て機能を併せ持つ工場実験棟を新設する。総投資額は約150億円を見込む。
事務所研究棟は地上4階建て、延べ床面積約7900平方メートル。工場実験棟は地上3階建て、延べ床面積約5800平方メートル。将来的には、建物で消費する1次エネルギーをプラスマイナスゼロにする「ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)」を目指し、省エネ、創エネ型の建築物を計画している。