神奈川県内で発生する2024年の労働災害が、30年ぶりの高水準になった前年を上回る勢いだ。厚生労働省神奈川労働局がまとめた上期(1~6月)の集計によると、休業4日以上の死傷者(新型コロナウイルス感染症除く)は3181人で前年同期より82人増えた。働き手として増える高齢者が押し上げている。
労働局は初めて上期の集計を公表し、注意を呼びかけている。前年は通年で8002人となり、1993年以来の8千人台に達した。上期後半の件数が時間差で下期に集計されやすく、労災は年末に増える傾向もある。2024年上期の死者は10人で、前年同期より8人減った。
年代別の最多は50代で、3割近くを占めた。4人に1人は60歳以上だった。定年延長や再雇用制度が普及し、労働局は働き手の高齢化が要因とみている。