大和市の平和都市推進事業として、太平洋戦争末期に高座海軍工廠(こうしょう)(座間、大和市など)で戦闘機製造に従事した台湾少年工の史実を紹介したパネル展が16日まで、市文化創造拠点シリウス(同市大和南)で開かれている。入場無料。
11日には、元少年工と親交を深めてきた高座日台交流の会会長の石川公弘さん(90)の講演や、座間市の芹沢公園に残る地下工場跡を題材に制作した地元の語り部、兼田智子さん(91)による紙芝居が披露され、平和の大切さを訴えた。
当時小学校校長だった石川さんの父親は大和市上草柳に建設され、台湾少年工約8400人を受け入れた寄宿舎の管理責任者を務めた。石川さんが目撃した少年工の優秀さや苦労、励まし続けた地元住民との交流などを紹介した。
石川さんは「父親が安定した教職から舎監に転じた理由が不明だったが、工廠関係者の遺族と最近面会して分かった。関東大震災時に朝鮮人が井戸に毒を入れたとのデマが流れた際、父親が打ち消しに回ったという事実と、台湾人を差別しない人を(寄宿舎の管理者に)集めたという話が自分の中でつながった」と語った。
会場には、湘東歴史文化研究会が2023年にカラー化した資料パネルなど84点を展示。南林間駅前で撮影されたという集合写真ははだしの少年工も見られ、物資が不足した厳しい生活がうかがわれる。