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パトレイバー後藤隊長のモデルは仲代達矢さん?都内で映画監督岡本喜八とアニメの関係を考えるトークショー

カナロコ by 神奈川新聞 2024年8月13日 21時0分

 戦争と戦中派を描いた川崎ゆかりの映画監督、岡本喜八(1924─2005年)の生誕100年を記念したトークショーが12日、東京都豊島区の新文芸坐で開かれた。

 新文芸坐では21日まで上映会「特集『戦中派』岡本喜八」が開かれており、トークショーはその一環。横浜で育ったアニメーション監督・メカニカルデザイナーの出渕裕さんと、喜八プロダクション(川崎市多摩区)エグゼクティブプロデューサーの前田伸一郎さんが、アニメ作品に影響を与えた喜八作品をテーマに語り合った。

 喜八の熱烈なファンで、「シン・ゴジラ」(16年)にも登場させたことで知られる映画監督・庵野秀明さんも参加予定だったが、骨折で入院したため、欠席した。

 出渕さんが映画館で初めて観賞した喜八作品は、倉本聰さんのオリジナル脚本を映画化したSFサスペンス「ブルークリスマス」(78年)。差別と迫害の恐怖が描かれた同作を、出渕さんは「倉本さんの脚本がすごかった」と振り返った。

 出渕さん自身の作品づくりにも影響を与えたという。

 例えば「殺人狂時代」(67年)。謎の殺し屋組織と戦う主人公の仲代達矢さんは、メカニックデザインで参加したアニメ作品「機動警察パトレイバー」(88年~)に登場する警視庁特殊車輌二課第2小隊隊長の後藤喜一のモデルになった。「ラーゼフォン」(2002年)で記者を装う謎めいた男・弐神(ふたがみ)譲二の話し方などを演出した際は、喜八作品に不可欠だった俳優・佐藤允さんをイメージするよう指導していたという。

 またパトレイバーの原作者・ゆうきまさみさんに「殺人狂時代」を勧めたり、侍をやめた男と農民から侍を目指した男を描いた時代劇「斬る」(68年)を、ゆうきさん、声優の笠原弘子さんと一緒に観賞した思い出も語った。

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