NTT東日本神奈川事業部(横浜市中区)は、横浜市泉区の養豚農家の豚舎で、周辺住民への臭気や環境対策を探るための検証を実施している。豚舎内の環境を“見える化”してデータ分析。都市型畜産が抱える課題を解決し、周辺との共存や畜産業界の発展を目指す。11月30日までの予定。
検証には、豚舎環境の温湿度やアンモニア臭気濃度などをモニタリングするシステムなどを活用。モノのインターネット(IoT)事業を展開する嘉創(東京都)が提供している。
豚舎に風向風速やアンモニア、温湿度などを測るセンサーを設置。数値をデータ分析し、臭気削減や掃除の仕方、えさの与え方などの効率化、豚舎内の環境の最適化を図る。
同事業部によると、畜産経営への苦情内容で最も多いのは悪臭関連で、約5割に上る。中でも養豚の割合が高い傾向にあるという。担当者は「今後も都市型畜産における最適な環境づくりを進め、産業を持続させていくために貢献していきたい」と話している。
同事業部は2019年から県内事業者などと協力。人工知能(AI)を活用した豚の飼育管理などを手がけ、スマート畜産に関する実証実験を続けている。